いつか私が絆されて、結婚しちゃうその日まで

結婚願望のない30代独身女の日常のつぶやきです

失うものが可視化できない

本格的に入籍を迫られている。

 

プロポーズされたわけではない。

 

同居人が欲しいビルが、ちょっとだけ手に届かなくて、
私の収入も合わせれば余裕なんだけど、
ペアローンを組むには、「入籍」が条件なんだと。

 

銀行、堅いよ!!!
許してくれよ、ただの共同名義。

 

自分も住むなら家賃なりリノベ費用なり、
金を出すのは当たり前だと思っているので
ローンを組むのは別にいいのである。

 

ただ、入籍がいやなのだ。

 

家のことを考えるのは楽しい。

実家はずっと社宅だったし、
今も両親はマンションに住んでるからか
戸建てが欲しいと思ったことはない。

でもPenの家とかリノベ関連の特集のときはだいたい買っちゃうし、
子どもの頃からディノス見ながら
「自分が一人暮らしするならこんなインテリアにしたなー」
という妄想をしていた。

 

だから、1人じゃ買えないような
狭小ビルをビルごと買って内装をフルリノベする、
という同居人が考えているプロジェクトはとても面白いのだ。

 

同居人が探してきた狭小ビルは立地もいいし、
たしかに面白い物件。

 

誰かに相談すると絶対
「これをきっかけに結婚すればいいじゃない」
と言われそうなので誰にも相談できない。

身近に味方いない。

 

入籍自体はしたくはないけど、
同居人が私の苗字になるならいい、
と何度か言ったが普通に断られた。

 

そこで何パターンか解決策を考えてみた。


1.とりあえず誰にも言わずに入籍して、
 苗字は同居人の方で揃える。
 ローンが組めたらひっそり離婚。

2.とりあえず私の苗字で入籍。
 嫌なら離婚するなり、離婚後半年以上して 私の気が変わっていたら同居人の苗字で
 入籍し直す。(どちらにせよ×1)

 

3.土地建物は同居人、リノベ費用は私が
 それぞれの名義でローンを組む。
 入籍の必要なし。
 ただし、リノベこみの住宅ローンに比べ、
 リフォームローンは金利がとにかく高い。

 

4.来年まで待つ。
 同居人は転職がうまくいき、
 今年ガッツリと年収が上がっているので
 今年の末の源泉徴収なら1人でローンが組める可能性大。
 ただし、欲しい物件はさすがに売れていると思う。

 

1は結局そのままなあなあにして離婚してくれなそうなので却下。

2は同居人がとにかく嫌がっている。
同じように私が1を嫌がっていることは
理解しているんだかしていないんだか。
(口では理解していると言ってるが)

 

3は金銭的メリットがねー。
4は知らん。

 

 

これまで貯めてきた金は特に目的もなく貯まってきたものなので、
自分が面白そうと思うことに大枚はたくのはそんなに間違ってはないと思う。

 

ただ、ただ、どうしても
入籍することで得られる金銭的メリットよりも
失う精神的な何かの方が絶対的に気になる。

 

しかしながら「失うであろうもの」が
数値化も可視化もできないので説得力がない。

 

でもさぁ同列にしたら怒られるかもしれないけど
好きな人と簡単に入籍できないセクシャルマイノリティの人も
理由があってその同性が好きだ、とか自分の性に違和感を感じる
ってわけじゃないと思うのですよ。
(虐待を受けたのがきっかけとか理由がある人もいるとは思うけど)

 

マジョリティの結婚観を押し付けられることへの嫌悪
はもう自分の性癖のような物ではないかという気がするのですよ。

 

納得の末なら苗字が変わることによる細かい手続きなんて
めんどくさいけど自分で出来る気がする。

 

でも結婚したとたんに
「奥さん」って呼ばれたり
「子どもは?」って聞かれたり「旦那さんが稼いでるから」って言われたり
自由にやっている今の仕事や今の生活に対する不必要性を説かれたり
するであろうことに対して

「結婚して生じるめんどくさいことは全部肩代わりするよ」
という同居人は肩代わりしてくれるの?
(本当にそんなこと言われるのかなんて
 全然わかんないんだけど)

 

結婚によって生じる面倒なことも、良いことも、
多分乗りこえられると思うけど
結婚によって失うものがある気がして、
それが堪え難いのだ。

ただ失うものって何?っていうとなんなんだろう?

社会性?

別に結婚しても仕事干されるわけでもないし、
自分でもわからない。

 

男の人はよく結婚は地獄とか、
責任が増えるとか、もう遊べない
みたいな感じで、(半分冗談もあるけど)
結婚に対してマイナスなこと言うことも多少あるけど、
女性の場合結婚に対してマイナス意見を聞くことがないなー。

「あいつとはやめておけ」みたいのはあるけど、
結婚自体メリットないしー、
みたいなことを言うとだいたい諭される。

結婚はプラスしかないなんてわけないでしょ。

でもそれを言う方が悪いみたいな風潮ナニコレ?

 

そんなわけで、G.Wなので実家に帰ったけど
入籍を迫られている話は一切しなかった。

親から吹っかけられたら正直に話そうとは思ってたけど、
親も最近またあきらめ期に入ったのか
何も言ってこなかったので、こちらからは何も言わず、母友の息子(30歳、3浪した末に入った大学ですぐに学生できちゃった結婚
結局数年で別れて子どもとともに実家に戻ってきて親の事業の手伝いをしている)
が最近再婚したという話を聞いて、
口では「ふーん」と言いながら、心の中では
「懲りない人は懲りないんだな、父親の脛かじりのくせに」
と毒吐きながら、たらふく飲み食いしていた。